片頭痛

片頭痛は発作と感じる方もいらっしゃるほど、頻繁に症状を感じられる方がいらっしゃいます。

大きく2つのタイプ(前兆あり、前兆なし)に分けることができます。

閃輝暗点といい、キラキラとした光などが見えるといった症状が最も多く、そのほか、チクチクした感覚、脱力感、ぐるぐるとした回転性のめまいなどの症状がある方もいます。
「なんとなく頭痛が始まりそう」という感、眠気、集中力低下、などの「予兆」を感じられる方もいます。

ズキズキとした拍動性の痛み、頭の片側に頭痛を感じる方もいらっしゃいますが、両側に痛みを有する方もいます。
頭痛を長く経験された方の中には、吐き気や嘔気を伴うことも多く、仕事や学校に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

中高生の中には、進学先を通学性から通信制への転換を求められるケースも生じているようです。

緊張型頭痛

肩こりやストレスなどにより生じることの多い頭痛です。
ストレスから生じる頭痛の場合、ストレスの過多に応じて、痛みが増すこともあります。

頭を締め付けられるような頭痛で、「孫悟空の頭の輪が張り付いた」「マラソンの優勝者に贈られる月桂樹の冠のような」などの形容をされる方もいらっしゃいます。
両側性で非拍動性の痛みで、比較的軽い痛みから中等度の痛みの方が多くなっています。

市販薬が効きやすい頭痛のタイプのため、頻回に頭痛がある方の中には、薬物乱用性の慢性頭痛に移行される方もいらっしゃることから、留意が必要な頭痛でもあります。

群発頭痛

群発頭痛は、目の奥、周囲から、前頭部、側頭部にかけてかなりつらい痛みを数分、長いケースでは数か月の期間生じることが特徴の頭痛です。

目をえぐられるような感覚があり、目の充血、目を開けていられない、涙や鼻水が出てくる、鼻が詰まる、などの症状を伴うこともあります。

男性に多いとされていますが、女性でも群発頭痛を感じられている方はいらっしゃいます。また、「群発頭痛は男性に多い、目の奥が痛いことがあるという症状だ」と症状が治まるのを待ち、群発頭痛と気づかない女性もいらっしゃいます。

まりのつらさに市販薬を予備的に服用される方など、各々工夫されながら対処している方も多いと思います。しかし、市販薬が効かない方も少なくないため、群発頭痛が起きると仕事や学校などには行けなくなり、日常生活だけでも精一杯という方も少なくありません。

当院では群発頭痛が出ているとき、出ていないときにかかわらず、治療を行っています。

慢性頭痛

鎮痛剤などの市販薬などがよく効くタイプの頭痛の場合、当初は症状のある時に服用していたものが、痛くなるのが怖いからと軽症のうちに服用したりするケースがあります。

当初はよく効いていた薬も、服用回数が重なることで効きにくくなり、痛みへの恐怖や不安から、予防的に服用したり、回数を超えて服用することにつながります。そうなると、当初効果のあった薬が効かなくなる一方、頭痛は継続するという状態になることもあります。

薬をやめることで治まるケースも多いですが、痛みや不安からやめることが難しい頭痛でもあります。また、痛みの恐怖による頭痛につながることも少なくありません。

当院では、頭痛が出ているとき、出ていないときにかかわらず治療を行っています。このようなケースの場合、治療回数が必要なケースもあります。「頭痛ガイドライン」が関連学会から発行されており、鍼灸治療が一定の効果があることが認められています。

鍼灸治療では

片頭痛、緊張型頭痛のケースでは、全身の治療に加えて、症状を感じられている部位に関連した経穴(ツボ)などを使った治療を行っています。

群発頭痛のケースでは、全身の治療に加えて、患者さんの身体の左右差などを確認し、まずはそのバランスの調整を行います。例えば肩こりなどのケースでは、左右どちらかが非常にひどいケース、身体のゆがみなどを解消することで改善するケースもあります。

群発頭痛の治療を受けられている方の中には、治療を重ねることで、身体の左右差から群発頭痛の前兆を感じ、事前に治療を受けることで頭痛の日数が減少したケース、頭痛が起きなかったケースなどがあります。

慢性頭痛のケースでは、全身治療と頭痛治療を組み合わせて、治療時に生じている頭痛を軽快させることから始めています。頻回に頭痛があることから、全身をこわばらせてしまうことも多いため、こわばりの解消も行っています。

慢性頭痛のケースでは、片頭痛や緊張型頭痛を併発されているケースもあるため、当院では問診を行いながら、患者さんと頭痛の種類を確認しながら治療をすすめています。

頭痛をお持ちの方の多くが、スマートフォンやパソコンの長時間利用による首肩こり、背中凝りをお持ちの方が多くなっています。長時間の同一姿勢、運動不足、目の酷使などは頭痛につながることが知られています。
生活習慣や仕事の内容に応じて、養生法や留意点などもお伝えしています。