起立性調節障害(OD)
起立性調節障害は、主に思春期に発症することの多い自律神経系の疾患です。
朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、気分不良、慢性疲労などの症状があります。
思考力低下、無気力、記憶力低下、成績低下、寝つきが悪いなどの副次的な状態も生じることがあります。
午後になると症状が改善し動けるようになることも多く、また、夜間に活動的になる人もいます。
この疾患を有する、特に中学生、高校生のお子さんがいる親御さんからは、「夜間にスマートフォンやパソコン、タブレットなどを見ていて、注意してもやめない」「注意をすると反抗されるかすぐに親子喧嘩になってしまう」といった相談も多くなっています。
また、進学を控えた中高生の中には、学校から「通学制の学校の進学は難しい。通信制の学校への進路変更を検討したらどうか」といった助言をもらうケースもあるようです。
一方、成人してもこの症状に悩む方は少なくありません。仕事に行くために起床しなければならない時間に起きられず、遅刻するか仕事を休む方もいます。この状況が継続すると、「仕事を任せられない」「継続した仕事は難しい」という評価となり、会社を辞めざるを得ないケースもあるようです。
起立性調節障害は、自身ではコントロールのしにくい自律神経が関係している症状ですので、なかなか改善が難しい症状でもあります。
鍼灸治療では
当院では、患者さんの全身の状態を見たうえで、全身治療を中心に鍼灸治療を行っています。
また、年齢に関係なく、夜に活動的になる方も多く、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを長時間利用している方も多く、肩こり、首こり、背中こり、眼精疲労、頭痛などの症状を有している方もいらっしゃいます。
こういった症状の改善も同時に行っていきます。
まれにですが、ご両親から、「病院での治療を嫌がっている」「鍼灸治療を受けさせたいが、子どもがいくのを面倒くさがっている」といった相談を受けることがあります。こういったケースでは、ご両親などから、症状の詳細をお伺いしたうえで、養生法、対処法をお伝えするケースもあります。その後、お子さんの気分が乗った時点で来院していただいています。